Back number(2002年5月)
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中国旅行記

May 26, 2002

を引き続き、という予定だったのですが、その前に一つだけお知らせがあります。

 今年の2月、いつもグループ展でお世話になっているM氏より「大阪写真月間への参加のお願い」というメールが届きました。
 内容は
「日本写真協会の主催で毎年行われている東京写真月間と歩調をそろえて、関西で始めて大阪写真月間を大阪ビジュアルアーツ専門学校、大阪芸大写真学科、日本映像写真専門学校の教師、理事たちで企画を行い、……(中略)…… 展示会場は梅田のニコンギャラリーの他、界隈のギャラリー10ケ所程度で150名ぐらいを予定しています。……(中略)……正式な募集要項の送付の前に参加していただけるかどうかの心づもりをお聞きしたいと思いメールしました。……(以下略)」
というものでした。
 後日、正式な募集要項が送られてきたので、その展覧会の期間を見てみると、全ギャラリーを合わせても、5月27日から6月4日まで

 これって、大阪写真月間ではなくて、大阪写真週間じゃん

 という訳で、明日から大阪写真 週間 月間、開催!
どうぞ、よろしく。

中国旅行記(その2)

May 14, 2002

photo
はやっぱり5月になってしまいました。
って言うか、もう5月も半ばだし... 。
ハァー、今月中に終われるかな?(笑)


第5日目(3月31日)

今日は電車で蘇州まで移動の日。
上海駅は、まるで設備の整っていない飛行場の様です。
と言うのも、荷物のX線検査までありますから。
個人的には、このX線検査は一大イベント
え、どうしてって?
だって、民族大移動する中国人の中で、わざわざ鞄の中から何本ものフィルムを全て出さなくてはいけないじゃないですか。

上海から蘇州までは電車で約1時間の距離。
蘇州に着いて電車を降りると、ようやくアジアに到着といった感じです。
え、何がって?
上海にはあまりいなかった、しつこい客引き達に囲まれる事ですよ。(笑)

どうやら客引き達の目当ては、観光ツアーとホテルの客集めの様。
取り敢えず駅を出て、一番初めに蘇州の地図をゲット。
そして次々に付きまとう客引き達を無視。
でも全く予定を決めていなかった私達は、ゆっくり地図を見るために入った店の中までやって来た客引きに、あっさり捕まってしまいました
結局、言われるがまま彼の勧めるホテルへ連れていかれることに... 。
日本人、簡単に撃沈です。(笑)

で、駅から車で5分から10分程の距離にあるそのホテルに着くと、フロントは客引きの提示した値段より高い宿泊費を要求。
もう正確な値段は覚えていないけれど、客引きが提示したのが200元で、フロントの要求は400元くらいだったかな?
フロントの横に書いてある値段表も、フロントが要求する値段と同じ額が書いてあります。
「おい、おい、値段が違うぞ!」
すぐさま後ろで待っている客引きを問い詰めると、客引きとフロントが中国語で何か会話。
宿泊費は、何故かあっさりと下がりました
「何で?」
ディスカウントか、安い部屋があるのかは分かりませんが、やっぱり中国のホテル事情は良く分かりません

チェックインを済ませて部屋へ上がろうとすると、客引きが
「ちょっと、待て」
と言って何かを要求。
「やばい、やっぱり高額の仲介料を要求されるのか?(宿泊費も安くなったし)」
と身構えたのですが、彼の要求は駅からホテルまでの移動費、たったの10元
お金を受け取ると、彼はさっさとホテルを出ちゃったので、ホテルからも仲介料を取ってないみたいです。
と言うより、このホテルを散々勧めて連れてきたというのに、彼とホテルは赤の他人で何の繋がりも無いみたいな感じ。
ホテルまでは白タクみたいな車に乗せられたから、お金は運転手と2人で山分けかな?
でも、一人の取り分はタクシー代の半分くらいなのに。
素直にタクシーの運転手になった方が良いのじゃないか?

さてホテルに荷物を置いた後、まずは昼食を取ることに。
ホテルを出ると、三輪自転車の輪タクが後ろからピッタリ付いてきて、乗らないかと声を掛けてきます。
でも、昼飯を食べたいだけだし、行き先は決めてないので、無視無視
それでもタイのトゥクトゥクや、ベトナムのシクロみたいにピッタリとマークされてしまいました。
でも、バスターミナルが見える場所まで歩いたら、とっとと諦めましたけど。

さて、中国に来てからずっと問題の食事です。
今回は水餃子のチェーン店らしき、「大娘水餃」という店に入る事にしました。
実は上海に着いてホテルに到着するまでに、この「大娘水餃」と書かれた赤いタスキを掛けたお姉ちゃんが、店の前でとても怪しく立っていたのがとても印象的で、実は上海では避けていた店です
「なんだ、大娘って?」
という感じで... 。
でも後から「GRANDMOTHER DUMPLING」と書いてある文字も見つけたので、「大娘水餃」=「お婆ちゃんの水餃子」という、ホノボノとした店だという事が分かったのですが。(笑)

「大娘水餃」は本当に水餃子専門店で、メニューの殆どは水餃子。
中の具が異なる20種類位の水餃子から、好きな物を選ぶ事が出来ます。
水餃子は6個単位で、何種類かを注文すると、全ての餃子が大皿に盛られて出てきます。
それに酢醤油や辣油を付けて食べるのです。
ギトギトした油もなく、なかなか美味しい店でしたが、それでもこの時はまだ、これからこのチェーン店に何度もお世話になるとは思ってもいませんでした。

さて食事の後は蘇州の庭園巡りをすることに。
まずは一番近くの留園へ。
で、前回も書きましたが、やっぱり中国の庭園は迷路です。
広い庭を塀で区切ってあるのですが、逆に、まるで幾つもの別々の庭がくっついて一つの庭園を形成しているみたいです。
良く言えば1度に何度も美味しいという感じですが、悪く言えば色々な要素がありすぎてお腹一杯、ちょっと食もたれ気味になるといった感じです。
まあ、中国のレストランと同じですね。
中国では沢山注文して食い散らかして食べ残すのが礼儀と言う話も聞いた事がありますし。

2〜3時間程、留園観光をした後、庭園をもう一つ見ようと滄浪亭へ移動。
タクシーを拾ったのですが、目的地を告げると乗車拒否
「何で?」
筆談では場所が分からないのかと思って駅で買った地図を見せてもやっぱり乗車拒否

そんなに遠い場所でも無いし、行きにくい場所でも無さそうだし、蘇州四大名園の1つだと言うのに場所が分からない訳は無かろう
意味不明な乗車拒否をされたので、バスを乗り継いで行くことにしました。

少し時間は掛かりましたがバス2台を乗り継いで、無事、滄浪亭に到着。
到着してみると、その場所は大変分かりやすく、車でも行きやすい場所。
やっぱり、さっきのタクシーが乗車拒否した理由が分かりません。

で、滄浪亭に入ってみると、規模は小さいですがやっぱり迷路でした。
もう私の頭の中では、中国庭園=迷路という図式が出来上がっています。
留園と大きく異なる所は、何故かこちらは観光客が殆どいなかった事かな。
留園では、かなり大勢の人がいたのに、こちらは良い意味で落ち着いた雰囲気でした。

夕食は繁華街の、人の多くて手頃な価格のレストランで食べる事に。
メニューを見るのではなく、並べてある皿を選んで取っていく方式のレストランなので注文も簡単です。
現地の人と同じように、田螺を机に食い散らかしたりして、結構満足。
本日の、食事は失敗しなかったみたいです。

ところで、中国では高級レストラン以外では相席の事が多いみたいですが、今回は父と小学校低学年位の男の子の親子と相席になりました。
そのお父さん、食事が終わってから勘定をするため、子供にウエーターを呼ばせたのですが、ウエーターがなかなか来ないから、勘定を済ませないで出ていこうとします。
おいおい、そりゃあ、食い逃げだろう。
そもそも、この店は勘定をテーブルでするレストランじゃないし
なんだか中国人って、かなり気が短くてわがままの様な気がします... 。


第6日目(4月1日)

今日も、ホテルを出たら「大娘水餃」で少し遅い朝食。
ちょっと「大娘水餃」のファンになってます
日本でもチェーン展開しないかなー、と本気で思ってみたりして。
中国旅行で、食事に困った時にはお薦めです。

食事の後は、またまた庭園巡り。
今日は先ず、拙政園に向かいました。

バスを降りて入り口を探しているとチケット売り場が見つかったので入場券購入。
でも何だか今までの庭園より安いし、入り口の雰囲気も小さいな〜と不安になり、すぐにその入り口を入らず、少し先を歩いてみました。

すると、駅の切符売り場みたいな、立派なチケット売り場を発見
観光客も沢山います。
と言うことは、さっきの入り口違うじゃん!
確か、地図には拙政園のすぐ隣に蘇州博物館が載っているのですが、さっきの入り口は蘇州博物館でもなかったような気が... 。
蘇州に行って、拙政園を見たい人は入り口を間違えないように要注意!

で、拙政園の感想は一言、

「広い... 」

今まで見てきた庭園も広かったけど、ここは格別、きっと蘇州一大きな庭園です。
日本人の感覚では、庭園と言うより広大な公園ですね。
さすが、万里の長城を造った中国人の庭園。
入場するや否や、食もたれになった気分です
観光客も大勢いるし。
拙政園を見た後、近くの獅子林という庭園も行く予定でしたが、既に庭園はもうお腹一杯。
今日はこの後、ホテルでお休みすることにしました。(体力無いですから)

ホテルに戻る前に、海外で困った時のマクドナルドで休憩。
中国人は何処でも全体的に無愛想な感じですが、さすがはマクドナルド。
共産主義国でも笑顔は0円(中国なので0元ですか)です。

その後、結局、夕食までホテルで寝てました。

さて、今日のディナーは鍋料理。
豚骨鍋を注文したのですが、豚骨の塊がそのまま何個もゴロゴロと入ってます
勿論、良い出汁、出てますよ。
だって鍋の中で、具よりも容積取ってますから。(笑)
でも、食べる時はかなり邪魔。
しょうがないので、机の上に豚骨を出しました。
豚骨に囲まれた夕食は、ある意味、高級料理よりも贅沢な気分でした。


第7日目(4月2日)

朝から雨。
今日はバスで同里まで移動です。
取り敢えず蘇州駅まで行ってみたのですが、バス停が良く分からなかったので少し離れたバスターミナルまで雨の中を移動。

バスターミナルに着くと、大きな電光掲示板に分かりやすく行き先と出発時間が、それに切符の残り枚数まで書いてあります。
切符売り場のお姉さんも親切で優しそうな人で、スムーズに切符を買えました。
待合室は、電車の待合室と同じ様に行き先別に別れて椅子があり、その先には電光掲示板で行き先と時間が書いてあるので、これまた親切で分かりやすい場所です。
でも、電光掲示板に書いてある時間を30分位過ぎてもバスは来ませんが... 。

気が短い中国人、ここで暴動を起こしてもよさそうですが、結構落ち着いて待っています。
そして、ようやくやって来たバスは、立派なバスターミナルには似付かわしくないマイクロバスみたいな小さなバスでした。

このバスターミナルが始発かと思っていましたが、既にバスの空席は数席。
始発ではなかったようです。
それに切符には指定席の様に席番号が印字してあるのに、全席完全に自由席。
バスが発車すると、バスターミナルどころかバス停も無さそうな場所でも乗客が乗ってきます。
途中で乗ってきた乗客の一人は、持っていた板をバスの席と席の間に渡して、勝手に補助椅子を作っていました
バスターミナルの電光掲示板に書いてあった切符の残り枚数は、意味があったのでしょうか?

さて、同里に着いても雨は止みません。
中心地では大掛かりな工事もしてますし、観光には向かない日に来たのかな?
取り敢えず地図をゲット、次にインフォメーションセンターで荷物を預けました。
インフォメーションセンターのお姉さんたちは大学生のバイトみたいな感じで、結構親切
でも、連絡先に日本の電話番号を書かされましたけど、荷物を取りに来るのを忘れたりしたら、日本まで電話をしてくれるのかな?

昼食後、アンティーク街を中心に町歩き。
2、3時間ブラブラしていると、運良く雨は止んできました。(喜)

同里はいかにも中国の水郷の町(と言うより村ですね)で、町全体が観光地の様な場所です。
地球の歩き方」によると、映画のロケ地としてもよく使われている様。
普通に道端で座っているお婆ちゃんも、仕込みで観光の街を演出しているみたいです

そんな同里を数時間程うろうろしていると隣人が、いかにも現地の中国人が泊まりそうな民宿を発見。
ホテルではなく、夫婦二人が経営している民宿で、子供が出ていった部屋をゲストルームとしているみたいです。
清潔そうな部屋でしたが、英語は通じないので筆談で交渉。
今夜の寝床が決定。

インフォメーションセンターから荷物を運んで少し部屋で休むことにしました。
泊まった部屋は民宿の2階にあるのですが、窓から目の前の水路が見えます。
白人達の乗った観光の手漕ぎ舟がその前の水路を通っていくのが見えました。
すると彼等、私達の方を見て写真を撮ったり、手を振ったりしてくるではないですか。

2002年4月2日の夕方に同里で舟から写真を撮っていたあなた達、
あなたの写真に写っている、はにかみながら手を振り返しているアジア人は日本人観光客ですよ。(笑)

夕食は民宿のおじさんの手料理。
そして食事が済むと、おばさんが英語の会話集を手に持ちながら近づいてきました。

「I want to be with you.」

突然の告白に固まる日本人。
あの〜、私達、まだ知りあって数時間しか経ってませんし、そういう事はお互い、もう少し分かりあってからに...
それに、こちらはただの旅行者ですし...

あ、一緒に写真を撮るだけなのね。(ホッ)

いやー、驚きの告白でした。(笑)


第8日目(4月3日)

朝が苦手な私にしては珍しく、朝の6時前に目を覚ますと、外は一面濃霧に包まれていました。
霧の中、幻想的な中国の田舎の風景が目の前に広がっています。
本当にどこまでも演出された水郷の町です。(笑)

早速、布団を飛び出して、カメラを持って町歩き。
中国人は早起きで、小・中学生は既に登校時間だったりして、多くの人が道を歩いています。
勿論、市場は既に活気づいて、生きたアヒルの首を持った主婦が家路へと向かっていたりします。
だから、こんな朝からカメラを持ってウロウロしている観光客は、霧の中でも目立ちまくりです。
それにしても、6時30分から始まる学校へ向かう小・中学生達は、いつ朝食を食べるのでしょう?
観光の為に演出されたような光景の数々に、思わず朝から2、3時間、何も食べずに素で町歩きを楽しみました。

9時頃に、ようやく民宿へ戻って朝食とTea Time。
霧はまだ晴れません。
今日は船で次の場所へ移動しようと思っていたのですが、もう一泊して同里でゆっくりすることにしました

同里は本当に「東洋のベニス」(イタリアには行ったことがありませんが)といった感じで、車も奥まで入ってこれません。
絵に書いたような中国の田舎の悠久の時間をゆったりと過ごしたい人にはお薦めです。
でも、そんな町の細い通りにも、バイクは大きなエンジン音を響かせて走っていますが。(笑)

そんな同里ですから、やはり観光には力を入れています。
WT0に加盟した中国は、観光でも外貨獲得を狙っているのでしょうか?
大掛かりな工事があちこちで着々と進められて、町の景色が刻々と変わっていきます。
朝は地面がむき出しだった道が、夕方にはもう奇麗に石畳で覆われていたりして、たった1日で道の雰囲気が変わったりもします
やはり中国人、侮れません。
仕事が速いです。

民宿のおじさんと、おばさんはとてもコミュニケーション好きで、親切で優しそうな夫婦。
昨日の夜も1時間位、筆談で、彼等の子供の話(自慢の子供みたいです)等を聞きました。(と言うより、延々聞かされました。知らない人とのコミュニケーションが大好きという感じでなかなか放してくれません。)
今日も、民宿の前の椅子に座っていると、ペンと紙を使った会話が弾みます。
おばさんが、どうやら台湾から嫁に来たらしい事、この民宿に宿泊した日本人は私達でまだ5人目だという事、はたまた向かいのおばあさんの年齢の話まで、中国の漢字が分からず理解出来ない話もありましたが、英語の苦手な私としては、英会話より理解できたかも。(笑)

上海や蘇州での中国人の印象は、気が短くてわがまま、相手の言うことが理解できないと、親切に教えてくれるのではなく、怒りだす人々ばかり(特にホテルとかレストラン)、という感じでしたが、蘇州のマクドナルド以降、バスターミナルの受付、同里のインフォメーションセンター、そしてこの民宿の夫婦と、こちらが一瞬理解出来なくても親切に教えてくれる優しい人達にも接することも出来、素直に嬉しいです。

さて、この旅館の昨晩の宿泊客は私達2人でしたが、今日は一人旅の女性と、おじさん二人組のお客が泊まるようです(2組とも中国人)。
夕食は皆、民宿のおじさんの手料理を食べるのですが、おじさん、一人旅のお姉ちゃんに鼻の下伸ばしすぎ。
私達は早めに食事を始めたのであまり被害は被りませんでしたが、お姉ちゃんの食事を作った後、その席に一緒に座って延々話し込んでます。

ナンパ?

それも、二人組のお客の食事はまだ、作ってないのに... 。
おかげで、この二人組のおじさん達、ご飯も自分でよそってました。
ちょっと、待遇悪すぎです。
今晩、ものすごい夫婦喧嘩が起こらないか心配です。(笑)

ちなみに中国語の発音が甲高い音だからか、彼等が普通に会話してても喧嘩している様に聞こえますが。


つづく... 。
次回はようやく(もう?)帰国編です。
果たして、今月中に帰ってこられるかな... 。

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